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構造設計一級建築士とは?受験資格や難易度について解説

建設・不動産 転職豆知識

2024.04.17

構造設計一級建築士とは?

「構造設計一級建築士って何?」「構造設計一級建築士を取得するにはどうすればいい?」といった疑問を抱えていませんか。今回は「一級建築士」の上位資格である「構造設計一級建築士」の、受験資格や試験の難易度について調査しました。

構造設計一級建築士について知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

構造設計とは?

打合せ

「構造設計」とは建設設計の業種の1つで、「意匠設計」「設備設計」の業種と協力して建築物の建築プランを作成します。それでは「構造設計」の仕事内容について、詳しくみていきましょう。

構造設計の仕事内容

構造設計は、建物の耐震性能や強度を設計する仕事です。具体的には、意匠設計が作成した図面を元に、建物の安全性を確保するために必要な梁や柱などを配置します。

構造設計は、人の命に関わる専門分野であり安全性が最重要である仕事となります。また、クライアントの要望に沿った建築物を作るにあたり、意匠設計や設備設計との連携も必要不可欠です。

建築設計の仕事の流れ

前述したように、建築物を作るには「意匠設計」「構造設計」「設備設計」の3者の協力が必要です。ここで、建築設計の仕事の流れを簡単に解説します。

まず「意匠設計」がクライアントにヒアリングを行い、建築物の外観・内観・間取りといったデザインを決定し、「構造設計」が建物の安全性能に考慮した土台と骨組みを設計します。そして「設備設計」が、建築物を利用する人が快適に過ごせるように、空調設備・給排水・電気などの設備を設計し、「意匠設計」がそれぞれの設計を統合するのです。

構造設計一級建築士とは?

ガッツポーズをする男性

構造設計一級建築士とは、一級建築士よりもさらに構造設計の専門性を高めた上位資格となります。平成18年12月に改正された建築士法により創設され、「一定規模以上の建築物の構造設計については構造設計一級建築士が設計する、もしくは構造設計一級建築士に構造関係規定への適合性のチェックを受けること」が義務付けられました。

構造設計一級建築士を取得している一級建築士は少ないため、業界での需要が非常に高まっています。それでは、建築士の種類について詳しくみていきましょう。

建築士の種類

建築士は国土交通大臣から免許の交付を受ける国家資格で、一級建築士・二級建築士・木造建築士の3つに分かれています。さらに一級建築士の上位資格として、より専門的な知識を身に付けた「設備設計一級建築士」「構造設計一級建築士」が存在します。

各資格の受験資格

各資格の受験資格については以下の表をご参照ください。

建築士の種類と受験資格

引用:公共財団法人 建築技術教育普及センター「受験資格」
   公共財団法人 建築技術教育普及センター「受験資格」

二級建築士と木造建築士の受験資格は共通となっています。各資格を取得するには、指定科目を修めて学校等を卒業する必要があります。しかし、建築に関する学歴がなくても、実務経験が7年以上あれば受験できるのが特徴です。

また、一級建築士の受験資格は、指定科目を修めて学校等を卒業、もしくは二級建築士か建築整備士の資格を取得することで得られます。一級建築士の上位資格である「設備設計一級建築士」と「構造設計一級建築士」は、一級建築士資格を取得してから5年の構造設計の実務経験を経て、登録講習と修了考査を受けることで取得できます。

構造設計一級建築士になるには?

設計業務

構造設計一級建築士は、2日間の講習を受けたのち「法適合確認」「構造設計」の修了考査に合格することで取得できます。前述したように、受験資格が厳しいことから希少性が高く、現場での需要が高まっている資格です。

一級建築士資格を取得してから5年の構造設計の実務経験を経た段階で、キャリアアップや転職に有利になる「構造設計一級建築士」の取得を目指してみてはいかがでしょうか。

構造設計一級建築士講習についてはこちらを参照してください。

構造設計一級建築士の難易度は?

大規模建築物の構造設計に取り組んでいれば、難易度としてはそこまで高くない試験内容ですが、実務経験の少ない人には当然難しい試験です。参考までに、各資格の合格率を表にまとめてみました。

建築士の種類過去5年の合格率:学科・設計製図
一級建築士

2023年度:16.2
2022年度:21.0%・33
2021年度:15.2%・35.9
2020年度:20.7%・34.4
2019年度:22.8%・34.2

二級建築士
木造建築士
【二級建築士:学科・設計製図】
2023年度:35.0%
2022年度:42.8%・52.5%
2021年度:41.9%・48.6%
2020年度:41.4%・53.1%
2019年度:42.0%・46.3%

【木造建築士:学科・設計製図】
2022年度:62.6%・59.0%
2021年度:49.9%・67.7%
2020年度:53.0%・72.1%
2019年度:42.0%・46.3%
2018年度:42.0%・46.3%
設備設計一級建築士【全科目受講・修了率】
2022年度:46.2%
2021年度:47.4%
2020年度:29.4%
2019年度:41.8%
2018年度:29.9%
構造設計一級建築士【全科目受講・修了率】
2022年度:30.0%
2021年度:25.0%
2020年度:28.7%
2019年度:24.3%
2018年度:33.6%

引用:公益財団法人 建築技術普及センター「試験結果」
   公益財団法人 建築技術普及センター「試験結果」
   公益財団法人 建築技術普及センター「試験結果」
   公益財団法人 建築技術普及センター「構造設計一級建築士講習データ」
   公益財団法人 建築技術普及センター「設備設計一級建築士講習データ」

建築士の試験では、「学科の試験」と「設計製図の試験」が行われ、「設計製図の試験」は「学科の試験」に合格すると受験できます。過去5年のデータを見ると、建築士試験の難易度は【木造建築士<二級建築士<一級建築士】となっています。

一級建築士に関しては、合格率が4割以下と、大変難易度の高い国家資格といえそうです。さらに構造設計一級建築士の修了考査は、実務経験を積んだ一級建築士であっても必ず合格できるわけではないことから、難易度が高い試験であることがわかります。

構造設計一級建築士は何人いる?

構造設計一級建築士の人数についてみていきましょう。公共社団法人 日本建築士会連合会の一級建築士登録状況によると、令和5年度4月1日現在の構造設計一級建築士は10,450人となっています。

以下の表をご参照ください。

建築士の種類登録状況
一級建築士378,337名
構造設計一級建築士10,450名
設備設計一級建築士5,997名

引用:令和5年度 4月1日現在 建築士登録状況

一級建築士の数に対する構造設計一級建築士の数は圧倒的に少なく、データから希少資格であることがわかります。

構造設計一級建築士についてまとめ

今回は、構造設計一級建築士の受験資格や合格率について解説しました。構造設計一級建築士とは、一級建築士の上位資格であり、一定規模以上の建築物の構造設計には欠かせない存在です。受験資格が厳しく修了考査の難易度も高いため、簡単には取得できませんが、現場での需要が高まる希少資格となります。

現場にて構造設計の経験を積み、キャリアアップや転職を検討したい方には、転職エージェントを利用しつつ構造設計一級建築士の取得をすると良いでしょう。

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